とりつくしま - 【公式】ご葬儀、家族葬、社葬ならメモリード福岡。福岡市、大野城市、春日市に19斎場。

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とりつくしま

2度めの登板、葬祭部エグチです。

葬儀後の精算、ご供養事のご案内をさせていただいております。

その際、ご家族の故人様に対する思い、まだ実感がない・・・、

こうしてあげればよかった、もっと一緒に・・・と

さまざまな想いをうかがいます。

そんな折、私は一冊の本が心にうかびます。

「とりつくしま」という本です。

これには、亡くなった方からの目線で書かれた11話の短編がおさめられています。

故人様も自分の死をすぐには受け入れられず、戸惑ってしまうなか、

とりつくしま係が問いかけてきます。

この世に未練はありませんか?あるなら、モノになって戻ることができます、と。

亡くなった方が、生前一番大切に想っていた人にモノになって再会し、

自分の存在を知られることなく側で時を過ごす、それぞれのお話です。

私が一番共感し、涙、涙で止まらなくなったのは、「ロージン」という話。

息子の中学校最後の野球公式戦を真近にひかえ亡くなってしまった母親が、

ピッチャーの息子を見守るため、試合で使うロージンになった話です。

ロージンとはピッチャーがボールを投げるときに、

ポン、ポンと手につけてるあの白い粉のことです。

使っているうちに飛び散って無くなってしまうものをあえて選んだのは

長く居すぎるとあとできっと辛くなるからという切ない母心。

そうとは何も知らない息子はそのロージンを手に力投し、

母親はほんの一瞬だったけど最後にもう一度一緒に居られたことに幸せを感じ、

あの世へむかうお話です。

ほかにも、妻が綴る日記になった夫の話や憧れの先輩が使うリップクリームになった女の子の話など、

切なさと温かさと、くすっと微笑んでしまう可笑しさが滲む内容になっています。

大好きだった私の父や姉も、もしかしたらすぐ近くに姿、

形を変えているのかもしれません。

そして、死んでしまったとき、とりつくしま係に、

私はなにをお願いしようかな?

モノになって大切な人の近くにいられるのなら、あなたは何になりますか?

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